時計台バスは、冬季の滑りやすい路面への対応として、走行中にボタン操作のみで作動する自動タイヤチェーン「オンスポット(Onspot)」を、国内のバス事業者として初めて導入します。
令和7年(2025年)度に20両、令和8年(2026年)度に10両の計30両への導入を予定しています。
■自動タイヤチェーン「オンスポット」とは


「オンスポット(Onspot)」は、スウェーデンのVBG社が製造する自動タイヤチェーンシステムで、走行中にダッシュボードのスイッチを押すだけで、車両下部に常設されたチェーンホイールが駆動輪に押し当てられ、遠心力でタイヤ下にチェーンが展開され、滑り止めを発揮します。
降雪・凍結路面における発進や低速走行時の安定性向上に寄与し、冬期の安全運行性を大幅に高めます。
この「オンスポット」は国内ではこれまで主にトラックでの導入が進められており、自動車整備業者 株式会社滝川自工、輸入業者 伸工貿易株式会社 により展開されてきましたが、バス車両への導入は弊社が初となります。
■バス車両への導入に向けた共同開発
弊社では、同装置の有効性に注目し、株式会社滝川自工、伸工貿易株式会社、VBG社とともに、2016年 (平成28年)よりバスへの導入可能性を検討してきました。

当時、日本国内でオンスポットを装着したバスは1台も存在せず、車体構造もトラックと大きく異なることから、バス専用の取付用ブラケットの開発が不可欠でした。
このため、スウェーデンからVBG社の技術者が来道し、弊社保有バスの車体下部を3Dスキャンするなど、詳細な測定と検証を実施。
その結果、バス専用取り付けブラケットの設計が可能となり、2018年(平成30年)には試作車として1台のバスにオンスポットを装着することに成功しました。
この度、十分な検証と実走行データを踏まえ、量産装着に向けた体制が整ったことから、正式導入を決定いたしました。
▼自動タイヤチェーン「オンスポット」の特長
✓ 即時性と利便性‥‥ 走行中に運転席のボタンで装着/解除が可能。降雪時など緊急時にも素早く対応できます。
✓ 安全性の大幅向上 ‥‥ 雪・凍結・アイスバーンなど滑りやすい路面でのトラクションを確保し、発進・停止・坂道走行などのリスクを軽減。加えて、チェーン装着のために路肩に止めて乗務員が降車する必要がなく、作業中の接触事故リスクを低減できます。
✓ 走行への柔軟対応‥‥ 前進・後退どちらでも機能し、ブレーキやアクセル操作時にも効果。ABS とも干渉せず、最大 50 km/h まで使用可能。
✓ 車両に合わせた専用設計‥‥ 各車両の車種・シャーシ形状に応じた専用ブラケットで取付。万一車両を更新した場合でも、移設が可能な設計。
✓ 長年の実績と信頼性‥‥ 1977年の開発開始以来、世界で15万台以上の車両に装着実績。信頼性・耐久性は十分確認されたシステムです。
■「オンスポット」導入スケジュール
・令和7年(2025年)度:20両に導入
・令和8年(2026年)度:10両に導入(マイクロバスを除く全車両に導入完了予定)
■「オンスポット」動画(12秒)